Sassor(サッソー、東京都目黒区)は11月28日、フィード・イン・プレミアム(FIP)を利用した再生可能エネルギー電源の運用活用に向けて、日本卸電力取引所(JEPX)スポット市場価格が0.01円になるコマを予測するモデルを開発したと発表した。
FIPでは、発電した電力を電力市場で販売する際に一定のプレミアムが付与されるが、出力制御指令の発令などで市場価格が下限価格の0.01円となる時間帯(コマ)では、プレミアムが付与されず収益性が大きく損なわれる。この問題を解決する方法のひとつとして、蓄電池を併設して0.01円の時間帯では蓄電池に充電し、価格の高い時間帯で放電することで売電収益を向上させる供給シフトが注目されている。
今回開発した予測モデルは、独自のアルゴリズムと過去データの解析を用いて、JEPXスポット市場の価格が0.01円を予測することに特化した。FIP電源などの運用で、従来の価格予測モデルと併用することで、より効果的な計画を立てることが可能になる。0.01円の時間帯が多く発生している九州エリアの過去の価格データを用いた検証では、高い水準での予測精度を実現できたという。
再エネ電源に併設された蓄電池の制御スケジュールの作成や、固定価格買取制度(FIT)電源からFIPへの転換を検討する際の収益試算などに活用されることを想定している。API形式で提供し、発電事業者や小売電気事業者、アグリゲーターなどに幅広く利用できるという。
同社は、エネルギーリソースを分析・制御する技術をもとに、容量市場・需給調整市場などを対象としたアグリゲーションサービス「ENES」の開発・提供している。今後は、需要家の経済効果を最大化する蓄電池制御機能、消費・発電予測機能などの独自技術を強みに、さまざまなリソースを大規模にアクリゲートしてリソースアグリゲーター事業の展開を目指していく(関連記事:「FIP併設蓄電池」に事業性、TMEICが最適システムを製品化) 。