物流施設の開発などを手掛ける米ProLogis(プロロジス)の日本法人プロロジス(東京都千代田区)は12月17日、自己託送に伴い生まれる環境価値を国際的な再生可能エネルギー証書「I-REC(アイレック)」によってクレジット化したと発表した。
兵庫県猪名川町で運営中のマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク猪名川1」に設置した出力約3.8MWの太陽光発電設備で発電した電力を京都府京田辺市で運営中の「プロロジスパーク京田辺」に自己託送し、その環境価値がI-RECとして認証される。また、認証済み環境価値の一部を、カシオ計算機が購入する。
I-RECの発行を伴う自己託送は国内初という。SCSK(東京都江東区)が運営するI-REC取引プラットフォーム「エネトラック(EneTrack)」を利用し、三井住友銀行のサポートのもと実施する。カシオ計算機は、エネトラックを通じて、国内営業所1拠点相当のI-RECを購入する。
プロロジスは、2040年までにスコープ1・2・3(直接排出、購入電力およびサプライチェーンによる間接排出)のネットゼロを目標に掲げる。2023年1月には東京オフィス内に「エネルギー事業室」を新設し、再エネ活用に取り組むとともに顧客の使用する電力の再エネ転換を支援している。
I-RECは、 非営利団体・I-REC規格財団(The International REC Standard Foundation)が策定した再エネ証書。世界60カ国以上で発行され、CDPやGHGプロトコル、RE100、SBTなど主要な国際的な環境団体から認められている。発電所、日時、発電量(kWh)の属性情報が記録・管理され、改ざん不可能な「唯一性」と履歴を追跡できる「追跡性」を備える。