都内で「燃料電池タクシー」、2025年度末に200台へ

東京都は9月3日、燃料電池自動車(FCEV)を採用した商用交通機関など「水素を使う」取り組みを加速させるための官民連携プロジェクト「TOKYO H2(トウキョウ エイチトゥ)」を発表した。最初のプロジェクトとして、全国初となる燃料電池(FC)タクシー(水素タクシー)の運用を開始した。

 トヨタ自動車の燃料電池自動車「クラウンFCEV」を採用したタクシー車両を都内タクシー会社7社が各1台ずつ、合計7台導入する。今後、順次増車して年末に100台、2025年度末に200台、2030年度に約600台の導入を目指す。7社の具体名は、日本交通、国際自動車、飛鳥交通、帝都自動車交通、東都自動車、大和自動車交通、小松川タクシー。

 また、S.RIDE(エスライド、東京都港区)が提供するタクシー配車アプリ「S.RIDE(エスライド)」では、配車に燃料電池タクシーを選択できる。配車できるのは、国際自動車、大和自動車交通、小松川タクシーの3台。このほか、東京都港区にあるトヨタのFCEV情報発信施設「TOYOTA MIRAI(トウキョウ ミライ)ショールーム」を「TOKYO H2 HUB(トウキョウ エイチトゥ ハブ)」としてリニューアルオープンした。

 都では燃料電池を採用した商用交通機関の普及目標として、2035年度に約1万台を掲げる。燃料電池タクシーの大量導入をきっかけに、運輸物流分野も含めた燃料電池自動車の導入を促進するほか、エネルギーの安定供給や、多様な分野で水素の積極利用を促す取り組みを官民連携で進める。「TOKYO H2」のロゴやデザインを統一し、社会全体での理解と関心を高めていく。