12月3日、前日のアメリカによる中国向け半導体への輸出規制の強化に対抗して、中国が半導体製造に使われるレアメタルの対米禁輸措置を発動した。対象となるのはガリウム、ゲルマニウム、アンチモン。いずれも軍民両用で使用される。
米政府は半導体製造に使われる装置やソフトウエア技術の中国への輸出規制を強めており、中国との貿易戦争を公言しているトランプ次期米大統領の就任が迫るなかで、中国が対抗措置を取った形だ。
ガリウムは発光ダイオード(LED)の製造に不可欠で、ゲルマニウムは光ファイバーなどに使用される。太陽電池や鉛蓄電池に使用されるアンチモンを含め、いずれも半導体製造に使われる鉱物資源だ。
昨年EUが出した重要原材料に関する報告書によると、世界の供給量のうちガリウムの94%、ゲルマニウムの90%、アンチモンの56%を中国産が占める。トランプが就任したら、半導体をめぐる米中の対立はさらに先鋭化する?