経済産業省は、令和6年台風第10号および奥能登豪雨における太陽光・風力発電所の被害について、12月19日に開催した有識者会議(電気設備自然災害等対策ワーキンググループ)で報告した。
台風第10号は、8月28日9時の時点で中心気圧935hPa,最大風速50m/sを記録。8月29日8時ごろに薩摩川内市付近に上陸し、九州から四国を横断し、9月1日12時に熱帯低気圧に変わった。九州電力管内では、8月29日11時で最大約26万戸の停電が発生、3日後の9月1日18時ごろにすべて解消した。
太陽光発電所の被害は合計14件。鹿児島県東串良町にある出力1400kWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)は太陽光パネルが破損・飛散した。宮崎市にある1997.2kWのメガソーラーでは太陽光パネルおよび架台が破損、パネルが飛散した。福岡県嘉麻市の233.1kWのミドル案件は太陽光パネルが破損、北九州市の500kW、松坂市の249.9kWのミドル案件ではパワーコンディショナー(PCS)が破損した。
このほか、宮崎市と山口県防府市にある2件の低圧事業用サイトで太陽光パネルおよび架台が破損しパネルが飛散、三重県津市・大台町の合計7件の低圧事業用サイトでPCSが水没または破損した。
風力発電所の被害は2件で、鹿児島県南さつま市の1万7500kW、鹿児島県長島町の1980kWの設備においてブレード(羽根)が破損した。
奥能登豪雨は、9月21日の線状降水帯の影響による土砂災害などで配電設備に被害が生じ、奥能登を中心に最大約6700戸の停電が発生した。北陸電力送配電は、冠水の影響が収まった9月22日から復旧対応し、9月26日までにアクセス困難な箇所を除いて停電を復旧、その後も道路啓開に応じた復旧を実施した。北陸電力管内では、現時点で豪雨被害に係る電気事故は報告されていない。